ミニ四駆の改造パーツとして欠かせないのが、FRPプレート。
そのままの使い方はもちろん、今のミニ四駆ではFRPを加工した使い方も必要になってきます。
マシンに合わせたカットや穴あけだけでなく、ヤスリがけや塗装によって見た目の印象を変えることも可能になってきます、。
✅この記事の内容
- FRPを加工するメリット
- 加工に必要なもの
- FRPの加工方法
この記事では、FRPプレートの加工について。
FRPの加工方法だけでなく、加工するメリットや必要な工具についても合わせて紹介します。
FRPプレートはカーボンプレートに比べても安価なため、いろいろな改造に使いやすいパーツになっています。
FRPとカーボンを比較した時に、気になるのが剛性や見た目の違いです。
そんなFRPのデメリットになってくる部分も、加工をすることで補うことが可能に。
FRPにおすすめの加工
- 改造の幅を広げる→カット、ビス穴あけ
- 剛性を上げる→貼り合わせ、接着剤の浸透、穴埋め
- 見た目を変える→表面のヤスリがけ、塗装
フロント提灯やギミックバンパーに必要となる、FRPのカットやヤスリがけはもちろん。
またFRPはカーボンとは違って手軽に塗装することもできるので、マシンに合わせた色でも使いやすいのが特徴。

改造に欠かせないFRPだからこそ、加工もミニ四駆初心者から上級者まで欠かせない改造になっています。
改造におすすめのFRPについては、こちらの記事で紹介しています。
FRPを加工して使うメリット
加工しやすい
FRPは加工がしやすいので、今のミニ四駆の改造パーツとして欠かせません。
FRPの素材は、ガラス繊維。
加工の際の粉塵などは人体に悪影響ですが、カーボンと違って加工しやすいというメリットがあります。
今のミニ四駆に欠かせない改造として、フロント提灯やギミックバンパーなどがあります。
ギミックやシャーシと干渉する部分に合わせた形状にする場合、FRPはカーボンに比べて加工しやすいので改造に使いやすいのが特徴。
ドリルやヤスリでの加工もしやすいので、初心者や子どもにも改造しやすいパーツになっています。
剛性を変えられる
カーボンに比べてしなやかな柔軟性があるFRPですが、使い方次第では剛性を上げることもできます。
炭素繊維で作られているカーボンに比べ、ガラス繊維で作られているFRPはしなりのある柔軟性が特徴。
しかし繊維の違いによるプレートの剛性や重さについては、デメリットとして比較対象になる部分でもあります。
ただそんなFRPも、使い方次第では剛性を上げることが可能。
フロントバンパーとして使う場合も安定性が上がり、1枚に比べてスラスト抜けなどのトラブルを防ぐことができます。
さらに重ね合わせることで厚みも出て、加工もしやすい。
特にフロントブレーキの場合は斜めに加工しやすくなり、バンクスルーしやすいプレートに加工することも。

接着する分パーツの重さは増しますが、剛性が劣るというデメリットを無くすことは可能になってきます。
改造コストが安い
FRPとカーボンを比較した時の大きなメリットには、改造コストの違いもあります。
FRPのパーツとしての値段は、カーボンに比べて半分以下。
同じ形状のプレートであれば、カーボン1枚の値段でパーツによっては2セット以上準備することができます。
このコストが安いというのは、マシン改造する上では使いやすいメリットに。
そんな時にFRPであれば気軽にパーツを揃えることができ、もし失敗してしまった時もダメージは小さくて済みます。
パーツを安く揃えられることによって、ミニ四駆初心者でも改造に取りかかりやすい。
さらにカーボンを加工する前段階の試作品として、FRPで試しに加工してみる場合も多いです。
FRPの加工に必要なもの
基本工具
ニッパー
FRPの特徴は、強度のあるニッパーであれば大まかなカットも可能な部分にあります。
今のミニ四駆の加工用工具として多く使われているのが、リューターなどの電動工具。
作業効率が良いのはもちろん、カーボンプレートの加工ではリューターが欠かせません。
しかしFRPプレートのカットであれば、ニッパーでも加工することができます。
多少力は必要になりますが、FRPをざっくりカットする際には使いやすくなっています。
注意点としては、組み立てや他の加工に使う薄刃ニッパーなどは使わないこと。
刃が折れてしまう可能性があるので、100均などに売っている大きな刃のニッパーの方が使いやすくなります。
ヤスリ
ヤスリがあることによって、FRPの加工後の断面などをキレイに仕上げることができます。
FRPの加工に使うヤスリといっても、使い方によっても種類が変わってきます。
まず使う場面が多くなるのは、#400〜600くらいのペーパーヤスリになります。
FRPプレートの表面を整える際にも、ペーパーヤスリが必要になってきます。
さらにFRPの表面を磨くのに欠かせないのが、水研ぎ用のペーパーヤスリ。
プレート表面を水研ぎ加工することで、プレート表面の艶消し加工をすることが可能に。
他にもFRPの加工では、ダイヤモンドヤスリも欠かせません。
ダイヤモンドヤスリだからこその削りやすさは、FRPで気になる側面の凹凸を整えるのに使いやすいのが特徴。

ヤスリは他の加工でも必要になるので、ミニ四駆の改造をする上では種類がある方が便利になってきます。
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ ベーシックヤスリセット
商品リンク:タミヤ メイクアップ材シリーズ フィニッシングペーパー
おすすめのヤスリについては、こちらの記事で紹介しています。
ドリル(ピンバイス)
もともとビス穴のあるFRPプレートですが、ドリルなどでビス穴を新設することで使い方の幅も広がってきます。
FRPプレートの使い方としては、ビスでの固定が一般的。
既存のビス穴を使えばほとんどの取り付けは可能ですが、改造によっては欲しい場所にビス穴が届かない場合もあります。
一般的にミニ四駆用ビスは2mm径ですが、何種類かサイズがあることで使い方の幅も広がります。
- 1.8mm径:ネジ穴の下穴
- 2mm径:一般的なビス穴
- 2.5mm径:ハトメの固定
- 3mm径:真鍮製スペーサー
- 4mm径:キャップスクリューのビス頭
FRPは、改造に合わせて加工しやすいのが大きな特徴。
カーボンと違って手作業での貫通も可能なので、 ドライバーPROのサイズに合った六角ドリルがあるだけでも使いやすくなってきます。
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ ミニ四駆ドライバーセット PRO
商品リンク:六角軸ドリルビット 10本セット
あれば便利な工具
リューター
手作業でも加工が可能なFRPですが、リューターがあった方が作業効率が上がるのは間違いありません。
カーボンのような強度がないので、ニッパーなどでカットできるのがFRPプレート。
しかし細かい加工や作業効率の面では、リューターがある方が便利にはなってきます。
実際にFRPを加工していても、リューターの方が使いやすい場面は出てきます。
さらに細かい部分のカットなどはニッパーではむずかしいので、ヤスリだけで削るよりも加工時間を短くすることもできます。
今のミニ四駆の改造では、皿ビス用の座グリ加工も必須です。
皿ビス加工用のビットを付け替えるだけで使えるので、リューターが手元にあると便利。

最初は高性能なリューターでなくても、ホビーリューターなどでもFRPの加工作業には十分です。
商品リンク:タミヤ クラフトツールシリーズ 2mm 皿ビス穴加工ビット
おすすめのリューターや皿ビス加工については、こちらの記事で紹介しています。
バイス(クランプ)
FRPの接着などの時に、確実に接着させるためにはバイス(クランプ)もあった方が便利です。
「万力」とは、物と物を挟んで固定する工具のこと。
締め付けることができるものを、バイスやクランプとよぶ場合もあります。
FRPやカーボンの接着の際は、確実な接着のためにバイスが必要。
瞬間接着剤が乾くまで、貼り合わせた位置がズレないように万力で固定しておくことが大切になってきます。
バイス自体は、今はどこでも手に入れることができます。
ホームセンターなどの本格的なバイスもあれば、100均でもホビー用のバイスを手にいれることが可能。
FRP同士の接着が不十分だと、使用中に貼り合わせがズレてしまうトラブルも。

そんなトラブルを防ぐためにも、バイスで挟んで確実な接着が必要になってきます。
商品リンク:TeamTop 小型 卓上 万力 バイス
瞬間接着剤
FRPやカーボンの貼り合わせに欠かせないのが、瞬間接着剤になってきます。
プレートの接着に使う瞬間接着剤については、タイプの違う瞬間接着剤が何種類かあると便利。
瞬間接着剤も、種類によって浸透度や接着の強度が変わってきます。
逆に低粘度タイプの場合、FRPに染み込ませることでプレート自体の強度を上げることができます。
他にも黒い瞬間接着剤があれば、ビス穴を埋めることも可能。
FRPの強度アップはもちろん、カーボンプレートの穴埋めにも使えるので汎用性は高くなってきます。

瞬間接着剤も何種類か用意しておくことで、目的によっての使い分けができて便利です。
商品リンク:ウェーブ(Wave) マテリアルシリーズ 瞬間接着剤×3G
商品リンク:ウェーブ(Wave) マテリアルシリーズ 瞬間接着剤×3S
商品リンク:ウェーブ(Wave) 黒い瞬間接着剤 (高粘度タイプ)
パーツクリーナー
FRPプレートを貼り合わせる時、瞬間接着剤以外にパーツクリーナーもあると便利になってきます。
FRPプレートを接着させる時、プレート表面の状態によっても接着度合いが変わってきます。
表面に汚れが付着していたり、凹凸があって真っ直ぐではない場合などは確実な接着もしづらい。
そんな不完全な接着を防ぐために必要なのが、パーツクリーナー。
瞬間接着剤での接着強度も変わってくるので、貼り合わせ後のズレなどのトラブルを防ぐことができます。
ただ瞬間接着剤で貼り合わせるだけの場合よりも、ひと手間加えることで確実な接着にすることができます。
商品リンク:ワコーズ BC-9 ブレーキ&パーツクリーナー9
罫書きペン
FRPプレートの複雑な加工の際は、罫書きペンがあった方が加工の失敗も少なくなります。
「罫書きペン」とは、ペン先が針のように尖っている工具。
この針部分でキズをつけることで、FRPの表面に線を書くことができます。
FRPプレートの加工では、マシンやシャーシに合わせて複雑な形に加工する場合が多いです。
罫書きペンで下書きすることで、誤って加工しすぎてしまうなどの失敗を防ぐことができます。
FRPの場合、普通のペンでの下書きでは見づらい場合が多い。
なので、100均の罫書きペンでもあるだけで加工の際に失敗しづらくなります。
商品リンク:新潟精機(Niigataseiki) SK 日本製 超硬チップ付ペンシルケガキ針
FRPの加工手順
カット(切断)
ミニ四駆の改造をする上で、もっとも多いFRPの加工がカット(切断)になります。
- STEP1カットしたいラインを罫書き
- STEP2リューターやニッパーなどでカット
- STEP3カットした断面をヤスリがけ
FRPをカットする上で大切になってくるのが、カットラインをしっかり決めること。
なのでカットする前の段階で、罫書きペンなどを使ってカットラインをしっかり合わせておくことが重要になってきます。
FRPのカット自体は、カーボンとは違って手作業での加工も可能。
前述のリューターや強度のあるニッパー、タミヤのクラフトのこやカッターのこなどもFRPのカットには使いやすくなってきます。
FRPに使われているガラス繊維は人体に有害なので、マスクやゴーグルなどをして体内に入ってしまわないような対策も必要になります。
FRPをカット後は、仕上がりの良さや思わぬケガ防止のために断面のヤスリがけも忘れずに行います。
穴あけ加工
FRPを加工する場合、既存のビス穴の拡張や新規のビス穴を使う場合は穴あけ加工が必要になります。
- STEP1新規穴の場合1.5〜1.8mmで下穴をあける
- STEP2ビス用の穴の場合は2mmドリルで拡張
- STEP3ハトメや真鍮などはサイズに合わせて拡張
FRPの穴あけ加工では、使い方に合わせてビス穴を拡張する必要があります。
- 1.8mm径:ネジ穴の下穴
- 2mm径:一般的なビス穴
- 2.5mm径:ハトメの固定
- 3mm径:真鍮製スペーサー
- 4mm径:キャップスクリューのビス頭
穴あけ加工のポイントは、必要なサイズより一回り小さいサイズで下穴をあけること。
そんな失敗を防ぐためにも、まずは下穴をあけてから穴を拡張するのがおすすめ。

他にもM2タップを使ってビス穴をあければ、ナットを使わずにビスやプレートを固定することも可能になるのでおすすめです。
M2タップによる加工については、こちらの記事で紹介しています。
ヤスリがけ(表面の磨き方)
FRPの表面を整えたり、艶消し加工をする場合はヤスリがけが必要になってきます。
- STEP1FRPをペーパーヤスリの上にのせて研いでいく
- STEP2艶消しの場合は水を垂らしてヤスリがけ
- STEP3水研ぎ後は表面を拭き取りしっかり乾燥させる
ヤスリがけのポイントは、徐々に番手を上げてヤスリがけしていくこと。
なので徐々にヤスリの番手を上げていき、#1000くらいまで上げるとキレイに仕上げることができます。
FRPのヤスリがけでは、耐水ペーパーを使った水研ぎ加工もおすすめ。
FRPの表面をマッドな仕上がりにすることができるので、通常の白っぽいFRPとの違いを出すことができます。
接着方法
強度に不安のあるFRPの場合、FRPプレート同士を瞬間接着剤で接着させるのがおすすめです。
- STEP1FRPの表面をヤスリがけして傷をつける
- STEP2FRP同士の位置を合わせて瞬間接着剤を垂らす
- STEP3バイスなどで固定してズレないように乾燥させる
FRPを接着させる際のポイントは、貼り合わせたい表面にキズをつけること。
そこであらかじめFRPの表面をヤスリでキズをつけることで、瞬間接着剤を浸透しやすくすることが可能に。
他にもプレート同士がズレないように位置合わせするためには、プレート固定用の治具もおすすめ。
通常のビスよりもほんの少し大きいサイズになっているので、しっかり固定してプレートのズレを防止することができます。

瞬間接着剤で接着後はやり直しができないので、まずは少量で仮止めするのが失敗しないためにもおすすめです。
FRPの剛性を上げる
FRPの特徴として、瞬間接着剤を染み込ませることで強度を上げることもできます。
- STEP1必要であればFRPの側面をヤスリがけ
- STEP2浸透度の高い瞬間接着剤を側面から染み込ませる
- STEP3しっかり乾燥させる
FRPのデメリットにもなってくる強度不足については、瞬間接着剤を染み込ませることで補うことができます。
この浸透しやすい材質を活用することで、低粘度の瞬間接着剤を染み込ませることが可能です。
ポイントとしては、3sのような浸透度の高い瞬間接着剤を使うこと。
粘度が低いことによってガラス繊維に染み込みやすく、FRPプレートでもカーボンに近い剛性にすることができます。
もちろんカーボンと比較した場合、強度や重さの面では劣らない部分はあります。
それでも瞬間接着剤を染み込ませることで、FRPでも強度のあるマシン改造をしていくことが可能になります。
ビス穴を埋める
FRPにあいている既存のビス穴は、黒い瞬間接着剤を使うことで埋めることができます。
- STEP1埋めたいビス穴に黒の接着剤を流し込む
- STEP2乾燥後は盛り上がった部分をヤスリがけ
- STEP3白化した部分はベビーオイルなどで拭いて仕上げる
FRPプレートには、改造しやすいように数々のビス穴があいています。
このビス穴は改造する上では必要ですが、プレートの剛性面ではデメリット。
そんなビス穴を埋めるのにおすすめなのが、黒い塗料の含まれている瞬間接着剤。
ビス穴を埋めることでプレートの面積が増え、FRPの剛性を多少上げることができます。

乾燥後に気になる瞬間接着剤の白化も、ベビーオイルなどを使うことで目立たなくすることができます。
FRPの塗装
カーボンとは違い、FRPだけにできる加工として塗装があります。
- STEP1FRP側面をヤスリがけして整える
- STEP2任意の色の油性ペンで塗装していく
- STEP3しっかりと乾燥させる
FRPとカーボンの大きな違いのひとつに、見た目の違いがあります。
特にFRPの場合はプレート側面が白くなっているため、カーボンと比較した時に安っぽい見た目になってしまう部分も。
そんなFRPの見た目の印象を変えるためには、油性ペンによる塗装がおすすめになってきます。
そこを油性ペンで塗ることで、白っぽい見た目を変化させることが可能。
黒の油性ペンであれば、カーボンに近い色合いに。
その他のカラーの油性ペンの場合は、マシンのカラーに近い色でFRPを使うことができます。
FRPの加工 まとめ
FRPプレートはカーボンプレートに比べても安価なため、いろいろな改造に使いやすいパーツです。
FRPにおすすめの加工
- 改造の幅を広げる→カット、ビス穴あけ
- 剛性を上げる→貼り合わせ、接着剤の浸透、穴埋め
- 見た目を変える→表面のヤスリがけ、塗装
瞬間接着剤をうまく使うことで、FRPの剛性を上げることもできます。

改造に欠かせないFRPだからこそ、加工もミニ四駆初心者から上級者まで欠かせない改造になっています。
改造におすすめのFRPについては、こちらの記事で紹介しています。
コメント